経審(経営事項審査)と入札参加資格の違い|申請の順番・準備書類を整理

公共工事を受注したい建設会社にとって、「経審」と「入札参加資格」は避けて通れない手続です。ただし、初めて取り組む場合は、どちらが先で何を提出するのかが分かりにくく、スケジュールが崩れてしまうことがあります。特に注意が必要なのは、経審だけを受けても入札に参加できるわけではなく、入札参加資格申請まで完了して初めて入札に進める点です。この記事では、経審と入札参加資格の違いを整理し、段取りと準備の要点を丁寧に解説します。


目次

経審(経営事項審査)とは何か|「会社の総合力」を数値化する審査

経審は、公共工事を発注する国や自治体が、建設会社の経営状況や技術力などを客観的に把握するための仕組みです。簡単に言うと、「この会社は公共工事を任せても大丈夫か」を判断するために、一定の計算式で点数化する審査です。経審の結果として「総合評定値通知書(いわゆるP点)」が交付され、発注者側はこの数値を参考に業者を評価します。
経審は毎年の決算内容とも密接に関わるため、決算変更届の内容が整理できていないと、経審の準備も進みません。

経審で求められる“前提条件”を押さえる

経審は単独で存在する手続ではなく、建設業許可を持っていることが前提になります。さらに、毎年提出する決算変更届が未提出だと、審査に必要な情報が整わず、手続が止まる原因になります。実務では「決算→決算変更届→経審」という順番で理解しておくと、手続の組み立てがスムーズになります。


入札参加資格審査とは何か|「入札できる名簿に載る」ための申請

入札参加資格審査は、各自治体や官庁が作成する「入札参加者名簿」に登録してもらうための申請です。経審の点数があっても、入札参加資格の申請をして名簿登載がされなければ、その発注機関の入札に参加できません。発注機関ごとに受付期間や提出書類が異なるため、経審の準備と並行して、どの発注機関を狙うかを早めに決めることが重要です。

入札参加資格は“発注機関ごと”に別申請になる

入札参加資格は、国の機関・都道府県・市町村など、発注機関ごとに申請が必要になることがあります。たとえば「県の入札に参加したい」と「市の入札に参加したい」では申請先が異なる場合があります。さらに、業種区分や希望する工事種別により提出する資料が変わることもあります。経審を毎年受ける会社は、入札参加資格の更新周期も含めて、年間スケジュールとして管理することが現実的です。


経審→入札参加資格までの「正しい順番」|手続は連鎖している

経審と入札参加資格は別手続ですが、順番は明確です。まず決算を締めて税務申告の準備を進め、決算変更届を提出し、その内容をもとに経営状況分析や経営規模等評価を受けます。その後、総合評定値通知書を取得し、最後に入札参加資格審査へ進みます。実務ではこの流れの途中で書類が不足すると、後工程がすべて止まるため、前倒しの準備が非常に重要です。

流れを表で整理(年間の動き)

公共工事を目指す会社は、決算期から逆算して動く必要があります。入札参加資格の受付が年1回・期間限定の自治体もあるため、経審が間に合わないとその年度の参加機会を逃すこともあります。

ステップ手続目的
1決算確定・税務整理会社の1年の数字を確定させる
2決算変更届許可行政庁へ年次報告
3経営状況分析経審に必要な分析結果を得る
4経営規模等評価+総合評定値P点(総合評定値)を取得
5入札参加資格審査名簿登載され入札可能に

準備書類で差が出るポイント|“整合性”が最大の壁になる

経審は、書類を集めるだけでは終わりません。工事経歴書の工種区分、完成工事高の集計、技術職員名簿の整備など、整合が取れていないと修正が発生しやすくなります。さらに、入札参加資格の申請では、自治体ごとに様式が異なり、提出方法がオンラインのみの場合もあります。準備期間を短く見積もると、入力作業に追われて肝心の中身のチェックが甘くなります。

「毎年同じ」になりにくいからこそ、チェックが必要

経審は毎年受ける会社が多い一方で、会社の数字や人員体制は毎年変わります。売上や外注費の変化だけでなく、技術者の異動や資格取得によって評価に影響が出ることもあります。入札を安定して継続するには、前年踏襲だけで提出するのではなく、「今年の内容として整合が取れているか」を毎年確認することが重要です。


まとめ|経審と入札参加資格は「順番管理」が最重要

経審と入札参加資格は似た言葉に見えても、目的と申請先が違います。経審は会社の実力を点数化する審査であり、入札参加資格は名簿に載って入札できる状態にする申請です。両方が揃って初めて公共工事に参加できます。
アクシスサポート行政書士事務所では、決算変更届の整理から経審・入札参加資格まで、スケジュールと書類の整合を意識してサポートできます。公共工事の受注を検討している建設会社様は、お気軽にご相談ください。

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