尊厳死宣言公正証書とは?認知症に備えて「延命治療の希望」を公的文書で残す方法

【目次】
尊厳死宣言公正証書の概要
法的効力と限界
認知症の不安がある人が早めに考える理由
作成の流れ・必要書類・費用の目安
家族と医療機関で活かすポイント
行政書士に相談できること
まとめ:当事務所へのご相談案内
尊厳死宣言公正証書の概要
尊厳死宣言公正証書は、本人が「回復の見込みがなく死期が近い状態になったとき、延命措置(命を長く保つことを目的とする医療)は差し控え、苦痛を和らげる医療を中心にしてほしい」という希望を、公証人の前で表明し、公正証書として残す方法です。
公正証書は公務員である公証人が作成する公文書であり、本人の意思表示を客観的に残しやすい点が利点です。
法的効力と限界
尊厳死宣言公正証書は、医師に医療の中止を必ず求められる文書ではありません。
日本では尊厳死そのものを直接に定めた法律がなく、医療の現場は、医学的判断と本人・家族との話し合いを踏まえて方針を決めます。
ただし、本人の意思を明確、確実に示す資料があると、家族が医療者に説明する場面で役に立ちます。
尊厳死宣言公正証書は、本人の言葉を「証拠として残す」目的で作成するのが現実的です。
認知症の不安がある人が早めに考える理由
認知症が進むと、本人が医療内容を理解して同意することが難しくなる場合があります。本人が元気なうちに意思を文章で残すと、家族は本人の希望を伝えやすくなります。
厚生労働省は、もしものときの医療やケアについて、本人が前もって考え、家族や医療・ケアチームと繰り返し話し合い共有する取組を「人生会議(ACP)」(下記図参照)として紹介しています。
尊厳死宣言公正証書は、この話し合いを支える資料の一つとして活用できます。

作成の流れ・必要書類・費用の目安
作成の流れは、
①公証役場へ相談
②内容の整理と案文作成
③作成日に本人が内容を確認して署名押印
④正本・謄本を受け取って保管
が基本です。
必要書類は、本人確認書類に加え、実印と印鑑登録証明書を求められることが多いです(運用は公証役場で確認してください)。費用は、公証人手数料令に基づく手数料と、正本・謄本の交付手数料などで構成されます。事実実験公正証書の手数料は、作成に要した時間1時間までごとに13,000円とされています。役場外で作成する場合は、日当や交通費が加算されます。
家族と医療機関で活かすポイント
尊厳死宣言公正証書は、作成しただけでは十分に活かせません。
本人は、次の行動が必要です。
第一に、正本や謄本の保管場所を家族に伝え、写しを共有してください。
第二に、かかりつけ医や入所先がある場合は、早めに存在を伝えてください。
第三に、考えが変わった場合は内容を見直してください。
本人の意思は変化し得るため、繰り返しの話し合いが重要です。
行政書士に相談できること
行政書士は、本人の希望を言葉にして整理し、家族と共有するための説明メモを整え、公証役場に伝える案文を分かりやすい形にまとめる支援ができます。医療の判断や指示は医師が行うため、行政書士は意思を伝える準備を中心に支援します。
まとめ:当事務所へのご相談案内
尊厳死宣言公正証書は、認知症の不安がある家庭で、本人の思いを残し、家族の説明負担を軽くする手段になり得ます。アクシスサポート行政書士事務所では、人生会議(ACP)の進め方の整理、家族向けメモの作成、公証役場との事前調整、文案作成のサポートを行っています。初回のご相談では、家族構成、医療や介護の状況、本人が大切にしていることを確認し、必要な準備と進め方を提案します。気になる点がある場合は、お問い合わせフォームからご相談ください。
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