「養育費が滞ったらどうしよう」「口約束のままで大丈夫?」という不安をよく伺います。
ひとことで言うと、離婚協議の公正証書は、離婚後のお金に関する約束を公式な書面にして実効性を高める方法です。一定の条件を満たすと、万一の未払い時に裁判を経ずに強制手続へ進める土台になり得ます。
今回は、初めての方にも分かりやすく、離婚協議における公正証書について役割・流れ・注意点を整理します。

公正証書で解決できること
離婚協議の公正証書は、養育費・財産分与・慰謝料などの金銭の取り決めを、第三者である公証人の関与のもとで明文化するものです。
特に、「支払わなければ強制されても構わない」旨(強制執行認諾の文言)を入れられるのが大きなポイント。
これが記載された金銭支払の約束は、滞納時に裁判を起こさずに差押え等の手続に進める道が開けます。一方、物を引き渡す約束など金銭以外の取り決めは直接の強制には向きにくいため、金銭で代替する方法も合わせて書くなど、内容の工夫が大切です。なお、公正証書は役所への届出書ではなく、夫婦間の合意を公的に記録する書面です。離婚そのものは、市区町村への離婚届の受理で成立します(未成年の子がいれば親権者の指定が必要)。
全体の流れ(条件整理→相談→文案調整→署名・完成)と準備物
まず、何を・いくら・いつまでに・どの方法で支払うのか等の条件をメモにします(例:養育費は毎月25日までに銀行振込、夏冬に特別費用を加算、見直しは年1回など)。
次に、公証役場へ相談し、文案を整えます。公証人が内容を確認し、当事者が署名(原則実印での押印は不要でも、本人確認書類の提示が必要)。その後、正本・謄本を受け取って保管します。作成に要する期間は、内容の複雑さや修正回数で前後しますが、一般に数回のやり取りでまとまることが多い印象です。
手数料は目的の金額やページ数、役場外での出張の有無などで変動します(地域・時期により異なるため、見積は公証役場で確認を)。静岡市・藤枝市・焼津市のいずれでも、窓口の基本的な考え方は共通です。
【準備する書類】
・合意内容のメモ(養育費・支払日・振込先、見直し条件 など)
・本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード等)
・(代理人作成時)委任状や印鑑登録証明書など、公証役場から案内されたもの
離婚の公正証書作成事例(藤枝市Aさんの場合)
藤枝市在住のAさん夫婦は、子どもが小学生。
養育費は毎月25日までに振込、臨時出費はその都度折半と合意し、公証役場に相談しました。
担当公証人から、金額・支払期日・遅れた場合の扱いなど解釈がぶれない言い回しを提案され、文案が完成。
署名日には本人確認を行い、正本と謄本を受領しました。
作成までの目安は1~3週間程度で、費用は公証役場の手数料+資料取得の実費にとどまりました。
つまずきやすい点は、強制できる前提の整理不足です。強制執行を視野に入れるなら、金銭の一定額の支払であること、そして強制執行認諾の文言が文面にあることが重要。ここが曖昧だと、いざというときに手続へ進みにくくなります。
公正証書なら何でも強制できる?
公正証書なら自動で強制できると誤解されがちですが、文面に強制執行を受けてもよい旨の記載がない場合は、強制手続に使えません。
また、強制手続に進む前提として、相手に内容が届いたことの確認(送達)や執行文の付与などの段階も関わります。実際に動かすには、文言と手順をあらかじめ意識しておくことが大切です。
まとめ
今日できる小さな一歩は、支払う人・金額・支払日・方法・遅れた場合の扱いを箇条書きで書き出すこと。
次に、公証役場へ相談し、だれが読んでも同じ意味になる表現へ整えてもらいましょう。
静岡市で作成を考える方も、藤枝市や焼津市でのご相談も、個別事情で結論が変わるため、最終確認は各公証役場・市役所案内へ。
なお、「強制が必要になり得る」ケースでは、公正証書が有力な選択肢です。専門家に相談すると、抜け漏れや表現の曖昧さを減らし、手続の見通しが立てやすくなります。
参考にしたページ
法務省/https://www.moj.go.jp/MINJI/1-1-1-2-2-3.html/強制執行認諾の文言がない公正証書では強制できないこと、送達や執行文の基本。
日本公証人連合会/https://www.koshonin.gr.jp/notary/ow07/離婚での公正証書の位置づけと、強制執行認諾付きで未払い時に裁判を経ずに手続へ進める趣旨。
静岡市「協議離婚の届」/https://www.city.shizuoka.lg.jp/s8436/s013632.html/離婚届の基本(親権者の指定・休日夜間窓口の取扱い等、地域の実務案内)。


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