専任技術者に関する申請でNGとなる主なケースは「技士補で申請→資格不備で不許可/補正」や、「2級の“専門区分違い”で弾かれる」ことです。
施工管理技士(1級・2級)/技士補の建設業許可における扱いについて誤解があると、許可取得や更新で無駄な時間と費用がかかります。
結論
- 技士補は専任技術者になれない。(主任技術者・監理技術者の要件にも該当しない。)
- 2級施工管理技士は、一般建設業の専任技術者になれる(ただし同一の専門区分に限る)。
- 特定建設業の専任技術者は原則“1級等”(または「指導監督的実務2年以上」を満たす場合あり)。
専任技術者に関する法令等で定める事項
- 全国共通事項(法令・省令・国交省資料)
・建設業法で営業所ごとに専任の技術者の設置が必要とされています。
・国交省は「専任技術者の資格要件」を国家資格(1級・2級施工管理技士等)と実務経験で明示することとしています。
・技士補は“補助的業務”の資格であり、専任技術者・主任技術者・監理技術者の要件にはなりません。
・特定建設業の専任技術者は1級施工管理技士等が原則。(例外として「指導監督的実務2年以上」があります) - 地域差の出やすい点
・専門区分の整合(例:土木・建築・電気・管などの一致)と、実務経験の裏づけ資料の細部は、都道府県の手引で運用差があります。
要件チェックリスト(自社の担当者で足りる?)
- □ 「技士補のみ」ではない。
- □ 施工管理技士の等級(1級/2級)と専門区分が、申請する業種と一致している。
- □ 一般許可なら、2級でも当該区分で専任技術者になれる。
- □ 特定許可なら、1級等の資格者か「指導監督的実務2年以上」を満たせる。
- □ 資格証の氏名・区分・合格年が確認できる写しを準備済み。
- □ 過去の工事実績の契約書・請求書・写真など、区分整合を示す資料が即出せる。
→ 1つでも×なら下記の「対応策」へ。
よくあるNG事項
- 「技士補で専任いけますよね?」
根拠不備。技士補は補助資格で専任技術者要件外。
回避:資格取得(2級→1級)または実務経験ルートの検討。 - 2級だが“区分違い”(例:土木2級で建築一式の専任)
区分不一致は原則不可。
回避:同一区分の資格を取得、または該当工事の実務証明で別ルート。 - 特定なのに専任技術者の資格が2級のまま
特定は原則1級等。
回避:1級取得または指導監督的実務2年以上の立証に切替。
必要書類・証憑について
- 資格関係:施工管理技士の合格証/免許証の写し(等級・専門区分が分かる面)。
- 実務裏づけ(必要な場合):契約書・注文書・請求書・工事写真・台帳(工種・現場・期間が読み取れるもの)。
- 常勤(専任)実態:社会保険加入資料・住民税特別徴収など(自治体により要求差)。
- 入手目安:合格証再発行=数日~/社内資料抽出=即日~1週/台帳整理=1~2週。
- 電子申請:対応の有無・原本提示/写し可は都道府県手引で確認。
費用の目安
- 許可申請の手数料は都道府県で異なるため、所管窓口の公表額を確認ください。
【参考:静岡県知事許可における手数料の目安】
新規(一般/特定):90,000円(静岡県収入証紙 or 電子納付)
更新:50,000円
業種追加:50,000円
静岡県公式ウェブサイト - 申請書類の作成等を士業に依頼する場合は報酬は別途必要。
専任技術者の要件が満たされない場合の「対応策」
- 技士補しかいない:短期=2級取得、中長期=1級取得を計画。実務ルート(年数+裏づけ)も並走。
- 区分が合わない:当該区分の実務を積み、契約・請求・写真に工種名を明記して蓄積。
- 特定に届かない:まず一般許可で運用→指導監督的実務を2年以上積みつつ1級受験へ。
成功例・失敗例
成功例
電気工事業で一般許可を狙う会社。担当者は電気工事施工管理技士2級保持、区分は電気で一致。資格証写しと、直近3年の電気工事の契約書・請求書・写真を整理し、常勤(社保・勤怠)の裏づけも添付。専門区分の整合を表で可視化して申請した結果、補正は社名表記の軽微修正のみ。想定どおり2級で専任技術者を確保して新規許可を取得できた。以後、特定に備え1級受験計画と技術者台帳の運用を開始。
失敗例
建築一式の特定許可に挑んだ会社。専任予定者は建築施工管理技士2級のみ。申請後に「特定は原則1級等」の指摘で補正。慌てて「指導監督的実務2年以上」での立証を試みたが、元請4,500万円以上の工事実績の裏づけ(契約・写真・体制台帳)が不足し不認定。方針を転換し、一般で許可取得→1級受験→実績管理の厳格化を社内ルール化した。
Q&A
- Q. 技士補で専任技術者になれますか?
A. なれません。技士補は補助資格で、専任・主任・監理の要件外です。 - Q. 2級でも専任になれますか?
A. 一般許可なら可。ただし申請業種と同じ専門区分であることが前提です。 - Q. 特定許可の専任は?
A. 原則1級等。例外として指導監督的実務2年以上がありますが、立証は厳格です。 - Q. 区分の一致はどれくらい重要?
A. 最重要ポイントです。区分不一致は不許可や補正の典型原因になります。 - Q. 実務で何を残せば良い?
A. 契約書・請求書・写真・台帳に工種・場所・期間を明記し、区分整合が分かる形で保管してください。
まとめ
- 技士補は不可、2級は一般で可(同区分)、特定は原則1級等。
- カギは専門区分の一致と、必要に応じた実務の裏づけ資料。
- 自力判断に迷う場合は、都道府県手引を確認しつつ、要件詰めは専門家へ早めに相談を。
参考資料(公的・出典)
- e-Gov法令検索「建設業法」:https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000100
- 国土交通省「指定学科一覧」:https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000085.html
- 国土交通省「建設業法における配置技術者となり得る国家資格等一覧(PDF)」:https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001619998.pdf
- 国土交通省「営業所専任技術者制度について(PDF)」:https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001475617.pdf
- 東京都「建設業許可 手引、申請書類等」:https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/kenchiku_kaihatsu/kenchiku_shidou/gyosya_shido/kensetsu/kensetsu_kyoka_tebiki3


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