専任技術者が退職!“空白”を作らない緊急対応マニュアル

突然の「専任技術者が退職する(した)」は、許可・入札・現場の三方面に一気に波及する出来事です。
ですが、やることを順番に片づければ“空白期間”は避けられますので、すぐ動ける実務ステップをまとめます。

最初の30分でやることを固める

  • 退職者の退職時期を確定します:退職日/最終出社日/有休消化の有無を社内で共有します。
  • 連絡窓口を一本化します:代表者または人事のどちらが対外窓口かを即決します。
  • 影響範囲を洗い出します:技術者名を記載している入札・見積・契約・申請中の案件を一覧化します。
  • 資格証と原本書類の所在を把握します:資格者証・合格証・実務経験証明の原本/控え/データの場所を確認します。

“資格者不在(空白)”が危険な理由

  • 営業所ごとに専任技術者の常時配置が求められるため、不在は照会や指導の対象になりやすいです。
  • 入札参加資格・経審の技術職員数が減れば、評点や申請可否に影響が出ます。
  • 発注者への提出書類で、担当名や体制表の整合が取れなくなり差し戻される恐れがあります。

今日からできる“空白ゼロ”の埋め方

  • 社内異動で即時充当:同一法人の他拠点にいる有資格者を異動させ、就業場所を当営業所に変更します。辞令・勤怠・社会保険の手当を同時に進めます。
  • 採用を同時並行で着火:施工管理技士などの有資格者をピンポイント募集。人材紹介、OB・O B ネットワーク、協力会社にも声をかけます。
  • 運用の一時見直し:どうしても後任がすぐ立たない業種は受注時期の調整や他業種への振替を検討します。
  • 社外への最小限の告知:事実のみ短文で「担当交代のお知らせ」を作成し、後任確定時に即配信できるよう準備します。

変更届は“事実が固まったらすぐ対応”

  • 後任の氏名・資格・常勤の事実が整ったら、変更届(様式)を準備します。自治体によって提出期限の言い回し(例:速やかに、概ね30日以内)が異なるため、前もって確認しておくと安心です。
  • 一般的な添付は、資格証の写し、履歴書・経歴書、常勤を示す書類(辞令、雇用契約、社会保険加入関係、勤怠など)です。
  • 電子申請エリアでは、アカウント権限や委任状の準備を並行します。

発注者・元請へのスマートな告知

  • 一枚資料にまとめます:交代の事実、後任氏名・保有資格、連絡先、引継完了予定日のみを簡潔に記載します。
  • 品質・安全は維持と明記します:体制の継続性を先回りして伝え、不安を軽減します。

入札・経審・現場への波及を最小化

  • 経審の技術職員数は要注意です:減少すれば次回評点に影響し得ます。後任の資格証到着時期から逆算して、提出スケジュールを組み直します。
  • 役割の混同を避けます:営業所の専任技術者と、現場配置の主任技術者(監理技術者)は別枠です。体制表は最新に更新します。

退職前の引継ぎでもらうべきもの

  • 関係者名簿:官公庁、発注者、元請・下請、協力会社、検査機関の連絡先。
  • 手続カレンダー:決算変更届、業種追加予定、入札更新日程、資格更新・講習(CPD等)。
  • 積算・見積のロジックとテンプレ:社内計算書式、見積内訳の作法、留意点。
  • 保管書類の棚卸し:原本・写し・電子データの保存場所とアクセス権限。

社内育成ルートも同時始動

  • 経験者の棚卸し:現場経験年数・工種を把握し、最短で資格取得できる人材を特定します。
  • 受験計画を年度で設計:実務経験証明の作成スケジュール、証拠資料の収集、申込期限を前倒しで管理します。
  • 実務経験ルートは書き方が命:工事内容・役割・期間の記載精度で合否が分かれます。ドラフトを複数人でレビューします。

よくある落とし穴を回避

  • 名義だけの在籍は危険です:在籍出向で「名義だけ借りる」は専任性・常勤性で否認されがちです。
  • 社保・給与台帳の整備不足:常勤の説明が弱くなります。辞令・勤怠・社保加入の三点セットを揃えます。
  • 兼務記載のブレ:他拠点との兼務が残っている体制図は補正の原因です。辞令・勤怠・体制図を一貫させます。
  • 資格証原本の確認漏れ:原本未確認のまま申請すると補正で時間ロスが発生します。

ケース別の即応シナリオ

  • ケースA:退職まで2か月ある…社内異動で後任を内定→辞令→常勤性の書類整備→退職前に変更届の準備まで終えます。発注者への交代案内は本人同席で実施し、信頼をつなぎます。
  • ケースB:来週いきなり不在…同日中に暫定後任を指名し辞令を即発令。書類は後任名への差替えを優先。行政庁の運用を電話確認し、補正前提で添付(辞令・勤怠予定)を用意します。
  • ケースC:社内に有資格者がいない…採用・紹介会社・協力会社への同時打診で転籍の可能性も探ります。中期策として、実務経験証明を整えやすい社員を特定し、受験計画を即立案します。

今日から使えるチェックリスト

  • □ 退職(予定)日・最終出社日の確定
  • □ 進行中案件の「技術者名」記載一覧の作成
  • □ 後任候補の洗い出し(社内・社外)と打診
  • □ 常勤性を示す書類(辞令・社保・勤怠・雇用契約)の準備
  • □ 変更届の様式・添付・提出先の確認(電子申請の権限も)
  • □ 発注者・元請向け「交代通知」ドラフトの用意
  • □ 経審・入札スケジュールの見直しと提出逆算
  • □ 引継ぎ資料(名簿・テンプレ・保管場所)の回収

必要書類の基本セット

  • 資格関係:後任の資格者証の写し、合格証明、監理技術者資格者証(該当時)。
  • 経歴関係:履歴書・経歴書、実務経験証明(必要な場合)。
  • 常勤関係:辞令、雇用契約、社会保険加入関係、給与台帳、勤怠資料。
  • 体制関係:営業所の体制図、職員名簿、業務分掌、委任状(代理・電子申請権限時)。

まとめ:一人で抱え込まず、まずは状況を共有

専任技術者の退職は、手続きを後回しにすると許可・入札・現場の三方面で問題が連鎖します。ですが、後任の常勤化と書面整備、変更届の準備、社外への簡潔な告知を同時並行で進めれば“空白”は作らなくて大丈夫です。地域ごとの運用や期限、必要添付には差があるため、迷ったら早めにご相談ください。
アクシスサポート行政書士事務所では、当日の状況ヒアリング→選択肢の提示→書面整備まで一気通貫でサポートします。まずは「退職日」「後任候補の有無」「進行中案件リスト」の三点だけお知らせください。
一緒に最短ルートを描きます。

当事務所のサポート事項

  • 後任人選の要件整理と「いま選べる選択肢」の即日提示。
  • 変更届の様式選定、添付設計、電子申請の初期設定まで伴走。
  • 発注者・元請向け「交代通知」文案のクイック作成。
  • 実務経験証明のドラフト作成と証拠資料の集め方レクチャー。
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