宅建業免許の新規申請チェック:専任宅建士・事務所・保証の選び方

宅建業免許の新規申請チェック:専任宅建士・事務所・保証の選び方

宅建業の開業準備で迷いやすいのは、「知事免許と大臣免許のどちらか」「専任宅建士を“専任”として認めてもらえる体制になっているか」「事務所が“実体のある事務所”として整っているか」「営業保証金か保証協会か」の4点です。ここを曖昧なまま申請書を作り始めると、補正で時間がかかり、開業日がずれやすくなります。
このコラムでは、初めて宅建業の許可を取得する方でも判断できるように、要件の考え方と実務の進め方を順番に整理します。



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目次

免許取得の全体像(何から決めるか)

宅建業免許の新規申請は、申請書を出せば終わりではなく、「免許が下りる前に整えておくべき体制」と「免許後すぐに行う供託・協会手続」を含めて、一本の工程として設計するのが安全です。
国土交通省(地方整備局)の案内でも、免許要件として、事務所(継続的に業務を行える施設)ごとの体制や専任宅建士の配置、営業保証金(または保証協会加入による分担金)の手当てが前提として整理されています。

さらに、2024年5月25日以降、国土交通省のeMLITにより宅建業免許申請等のオンライン化が進んでいるため、提出方法(オンライン/郵送/窓口)も早めに決めておくと段取りが崩れません。

実務上は、最初に「どの免許区分で申請するか(知事/大臣)」と「専任宅建士の確保・専任性の説明」を固め、同時並行で「事務所の使用権原(賃貸借契約など)」「事務所写真・平面図」「役員等の証明書類」を集める流れが最短です。
大臣免許の手引では、提出書類の並べ方や写真・平面図、専任宅建士設置証明書などが具体的に一覧化されており、実務の型としてとても参考になります。

知事免許/大臣免許の判断基準

知事免許か大臣免許かは「取り扱える物件の種類」や「信用の格付け」で決まるわけではなく、基本は事務所をどこに置くか(都道府県をまたぐか)で決まります。国土交通省の案内でも、提出先は各都道府県の免許担当課であり、相談窓口として各都道府県担当課や地方整備局が示されています。
たとえば、最初は東京都内に本店だけ、という形なら知事免許でスタートし、後から他県に支店を出す段階で免許換え(大臣免許へ)を検討する、という考え方が現実的です。逆に、最初から複数都道府県に事務所を置く計画が固まっているなら、最初から大臣免許で設計した方が手戻りが減ります。

ここでのポイントは「将来の計画」と「今の体制」を分けて考えることです。将来は支店を出したいとしても、現時点で事務所が1都道府県内だけなら、まずは知事免許で開業し、実績と人員を整えながら拡大する方が、専任宅建士の確保や事務所体制の説明がしやすくなります(結果として補正も減りがちです)。


欠格要件と役員要件の確認

宅建業免許は、事務所や専任宅建士が整っていても、申請者や役員等が欠格要件に該当すると免許が下りません。
大臣免許の手引でも「免許の申請前5年以内に宅地建物取引業に関し不正又は著しく不当な行為をした場合など、その他免許を受けられない場合(宅建業法第5条)」が明記されています。
実務で怖いのは、欠格要件の判断を「自分は大丈夫だろう」と感覚で済ませてしまい、後になって証明書類の段階で手続が止まることです。申請前に“該当しそうな点がないか”を棚卸しし、必要なら行政庁の事前相談で確認しておくと、時間のロスを防げます。

また、法人申請では「役員」「政令で定める使用人(支店長等)」など、対象者が増えます。対象者が増えるほど、住民票・身分証明書・登記されていないことの証明など、証明書類の収集がボトルネックになりやすいので、「誰の分を何通取るか」を最初に名簿化してから動くのがコツです。大臣免許の手引でも、役員・政令使用人等について証明書類が必要であることが具体的に示されています。

「先に集める」より「対象者を確定してから集める」

欠格要件や役員要件の確認でありがちな失敗は、勢いで証明書を取り始めたものの、途中で「この人も対象だった」「この役職も入る」と判明して取り直しになるケースです。証明書には有効期間(取得後○か月以内など)の運用があるため、取り直しはそのままスケジュール遅延につながります。大臣免許の手引でも、官公庁が発行する証明書類等は申請受付日から3か月以内のものに限る旨が注意事項として示されています。
そのため、まずは「申請者・役員・政令使用人・専任宅建士・相談役顧問など、対象者の範囲」を確定し、名寄せ(氏名・住所・生年月日)を統一してから、まとめて取得するのが最短です。

もし欠格要件に当たりそうな事情が少しでもある場合は、独断で進めずに、所管庁の担当者または実務経験のある先輩行政書士に事前相談するのが確実です。ここは“早めに相談した人ほど早く片付く”領域です。


専任宅建士・事務所要件・標識

宅建業の新規申請で、補正が最も出やすいのが「専任宅建士の専任性」と「事務所の実体」です。地方整備局の案内では、事務所ごとに従事者の5分の1以上の割合で成年者の専任宅建士を置くことが要件として整理されています。

さらに、都道府県の要件説明資料では、「専任」とは当該事務所に常勤し、専ら宅建業に従事する状態であることが明確に書かれています。兼業や他法人役員兼務など、状況によっては専任性が認められない(または事前相談が必要)という注意も具体例付きで示されています。

事務所要件も同様で、単に住所があるだけでは足りず、「継続的に業務を行える施設」であること、さらに事務所としての写真・平面図・使用権原などで説明できることが重要です。大臣免許の手引では、事務所付近の地図、平面図(間取り図)、事務所写真、使用権原に関する書面が必要書類として列挙されています。

そして、開業後には標識の掲示など“表示の整合”も監督の視点になります。標識の様式(掲示内容や文字サイズ等)は施行規則の別記様式等で具体化されています。

「専任性」を説明できる資料(“常勤”と“専ら従事”の裏づけ)

専任宅建士は「名義貸し」が疑われると、審査の負担が増えます。
そこで大切なのは、専任性を“言葉”だけでなく“資料”で説明できる形に整えることです。
都道府県の要件説明資料が挙げるとおり、他法人の代表者兼務、他の勤め先がある、行政書士事務所等を開設している、他の専任性を要する職を兼務している、といったケースは原則として専任性が認められない(ただし実態により認められる場合があるので事前相談が必要)とされています。

つまり、単純に「宅建士証の写し」があるだけでは足りず、勤務実態(勤務時間、業務内容、他業務の比重、事務所の同一性など)を説明できるように準備するのが安全です。

実務では、雇用契約書や就業条件、勤務表(シフト)、事務所の座席・デスク配置、電話の受電体制など、“その人がそこに常勤している”ことが想像できる材料を整えておくと、補正対応が軽くなります。兼業がある場合は、最初から担当窓口に「こういう勤務形態だが専任性は足りるか」を確認し、求められる資料を聞いてから動くのが最短です(自己判断は遠回りになりがちです)。


保証金か保証協会か?メリット比較

宅建業は開業までに「消費者保護のための担保」を用意する必要があり、その代表が営業保証金(供託)です。
宅地建物取引業法施行令では、営業保証金の額が「主たる事務所1,000万円、その他の事務所は事務所ごとに500万円」と定められています。
ただし、保証協会(宅地建物取引業保証協会)の社員になる場合は、営業保証金の供託に代えて、弁済業務保証金分担金を納付する仕組みが用意されています。地方整備局の案内では、この分担金が主たる事務所60万円、従たる事務所(支店)ごとに30万円であることが明記されています。

そして見落とされがちなのが「免許が下りた後、営業開始前にこの手当てを完了させる」点です。大臣免許の手引では、免許→(A)営業保証金供託 または(B)保証協会加入・分担金納付→免許証交付、という流れが示されており、ここが完了しないと免許証交付まで進まない運用が説明されています。

初期資金・スピード・将来の支店計画で選ぶ(比較表)

どちらが良いかは“正解が一つ”ではありません。開業資金に余裕があり、長期的に協会費等を抑えたい場合は営業保証金の供託を選ぶ考え方があります。一方で、開業初期の資金負担を抑えたい場合は、保証協会加入(分担金)を選ぶのが一般的です。将来支店を増やす計画があるなら、支店ごとに500万円増える営業保証金より、支店ごとに30万円増える分担金の方が資金計画が立てやすい面があります。

方式初期負担支店を増やすと実務のポイント
営業保証金
(供託)
本店1,000万円+支店ごと500万円まとまった資金が必要供託手続が完了しないと営業開始に進めない
保証協会
(分担金)
本店60万円+支店ごと30万円資金負担は比較的軽い加入審査や手続の段取りを早めに組む

必要書類一覧と作成のコツ

新規申請で必要となる書類は、都道府県(知事免許)か地方整備局関係(大臣免許)かで細部が変わることがありますが、共通してボリュームが大きいのは「役員等の証明書」「事務所関係」「専任宅建士関係」です。
大臣免許の手引では、免許申請書(第1面〜第5面)、宅建業経歴書、誓約書、専任宅建士設置証明書、従事者名簿、納税証明書、事務所の使用権原、案内図、平面図・写真などが一覧化されています。

この一覧が示している通り、申請は“書類の筋が通っているか”が勝負で、書類が揃っていても整合が取れていないと補正になります。

作成のコツは、書類を集めながら書くのではなく、「表記のルール(住所・法人名・役職名)を最初に統一」してから作り込むことです。特に法人は、履歴事項証明書の表記(商号・本店所在地・役員の氏名)と、申請書の表記が1文字でもズレると補正の原因になります。写真も同様で、事務所の入口、執務スペース、標識掲示予定箇所など、“継続的に業務を行う施設”として説明できる撮り方にしておくと、確認が早く進みます。

表記の名寄せで補正を減らす(書類作成前のチェック)

補正を減らす最も効果的な作業は「名寄せ」です。
①住所(丁目・番・号、建物名、部屋番号、ハイフンの有無)
②法人名(株式会社の表記、スペースの有無)
③役職名(代表取締役/取締役など)
④氏名(戸籍・登記・住民票での表記)
を統一します。
名寄せを先にやると、同じ内容を何度も書く申請書類でもミスが激減します。

また、提出方法も実務上の重要点です。国土交通省は宅建業免許申請等のオンライン化(eMLIT)を案内しており、都道府県知事宛て電子申請は各都道府県が受付しているか事前確認するよう注意喚起しています。
オンラインの方が便利な場面もありますが、添付資料の形式(PDF化、原本郵送の要否など)で迷うことがあるため、申請前に「提出方法に合わせた書類の作り方」に寄せておくと、差し戻しを防げます。


まとめ/ご相談のご案内(アクシスサポート行政書士事務所)

宅建業免許の新規申請は、申請書の記入以上に「専任宅建士の専任性」「事務所の実体」「保証(供託・協会)の段取り」を最初に固めることが、最短で免許取得につながります。このコラムで触れた通り、要件や金額は制度として明確ですが、運用(専任性の判断や写真の求め方など)は窓口で差が出ることがあります。国土交通省も、提出先・相談窓口を都道府県担当課・地方整備局と案内していますので、迷ったら早めの事前相談が安全です。
アクシスサポート行政書士事務所では、免許区分の設計、専任宅建士の専任性整理、事務所写真・平面図の整備、保証金/保証協会の選択と工程管理、申請書作成〜補正対応まで、開業日から逆算して伴走します。まずは現状の体制で“通る形”を一緒に組み立てましょう。


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