車庫証明が通らない原因ランキング:幅員・配置図・承諾書の作り直しを防ぐ

車庫証明(自動車保管場所証明)は、書類の書き方というより「現地の状況を、図面と資料で正確に説明できているか」で結果が決まる手続きです。いちばん多い手戻りは、配置図の寸法不足や、使用承諾書の名義・区画違いなど“ちょっとしたズレ”です。しかも修正のために管理会社へ取り直し、測り直し、再提出…となると、名義変更や納車予定までずれてしまいます。このコラムでは、通らない原因を「起きやすい順」に整理し、作り直しを防ぐための実測・図面・写真の揃え方を丁寧に解説します。


目次

車庫証明で審査される“現地要件”

車庫証明は「車を置ける場所がある」だけでは足りず、法律に基づく要件を満たしていることを示す必要があります。多くの都道府県警の案内では、

  • 使用の本拠の位置(自宅・事業所等)から保管場所までが直線距離で原則2km以内
  • 道路から支障なく出入りでき、かつ自動車全体を収容できる
  • 保管場所として使用する権限がある

という3点が軸として示されています。
ここでつまずきやすいのが、「2km以内」や「全体を収容できる」の判断を“感覚”で済ませてしまうことです。審査側は現地確認や図面・写真から合理的に判断するため、こちらも“数字と根拠”で説明できる形に整えるのが最短ルートになります。

まず「必要な地域/車種」を確認する

車庫証明が必要かどうかは、車種(登録自動車か軽自動車か)や地域(市・町は対象だが村は対象外、など)で運用が分かれることがあります。たとえば長野県警の案内では「使用の本拠の位置が市及び町にある場合」が対象で、村は対象外といった適用地域の説明があります。
また、軽自動車は「証明」ではなく「届出」になる地域があったり、そもそも手続が不要な地域もあります。まずは管轄警察(都道府県警)のページで「自分の地域は対象か」「登録自動車か軽自動車か」を確認し、必要な様式(証明申請か届出か)を間違えないことが、手戻り防止の第一歩です。


配置図の作成手順(実測→図面→写真)

車庫証明が“通る配置図”に共通しているのは、現地の状況が一読でわかることです。警視庁の記載例でも、配置図には「道路の幅員」「保管場所の幅と奥行き(必要に応じ高さ)」「複数台駐車場なら位置と番号」をメートルで記入するよう明記されています。
ここを落とすと、どれだけ丁寧に描いても差し戻しになりやすいです。順番としては、①現地で“必要な箇所”だけを正しく測る、②図面に数字として落とす、③写真で図面の説明を補強する、の3段階が安定します。

どこを測る?(道路幅員・出入口・区画寸法・高さ)

測るべきところが曖昧だと、再測定になりやすいです。基本は、前面道路の幅員、駐車区画の幅と奥行き、出入口の幅(必要なら高さ制限)です。警視庁の案内は、この点をかなり明確に示しています。
とくに注意したいのは「見た目では広いが、実は有効幅が狭い」ケースです。門柱・電柱・段差・植栽・隣地のブロック塀などがあると、タイヤが通れる幅と“車体が無理なく通れる幅”が違ってきます。また、立体駐車場やカーポートで高さ制限がある場合、高さを記載すべきとされる運用もあるため、屋根や梁がある保管場所では高さも測っておくと安心です。

測る場所何のために必要?つまずきやすい例
前面道路の幅員出入りの可否・安全性の判断材料道路の“端から端”を測らず推測で記入
出入口の幅(必要なら高さ)支障なく出入りできるか柱や門扉を含めて有効幅が足りない
区画の幅・奥行き(必要なら高さ)車体全体が収容できるかバンパーがはみ出す/輪止め位置で実寸が足りない

配置図の書き方(読まれるポイントに寄せる)

配置図は、芸術作品ではなく「審査側が確認するための説明資料」です。警視庁の様式説明では、配置図に必要な寸法をメートルで記入すること、複数台の駐車場なら位置と番号を明示することが求められています。
したがって、上手に描くよりも、①数字がはっきり読める、②どこを測った数字か分かる、③駐車位置が一目で分かる、が最優先です。手書きでも構いませんが、線が重なって読めない・数字が小さい・縮尺が不明、という状態は避けます。最も強いのは、地図(所在図)と配置図の“目的”を分けて作ることです。所在図は本拠と車庫の位置関係、配置図は車庫の具体的な形状と寸法、という役割分担を意識すると、書類全体の説得力が上がります。

「所在図は省略できる場合があるが、配置図は省略できない」を意識する

警視庁の説明では、一定の条件に該当すると所在図の記載を省略できる場合がある一方、配置図の省略はできない旨が示されています。
このため、時間がないときほど「配置図だけは丁寧に」作るのが鉄則です。逆に言うと、配置図さえ現地と一致し、要件を説明できる内容になっていれば、軽微な見た目の差(線の美しさ等)は問題になりにくいです。図面は“現地の翻訳”なので、現地に合わせて最後に更新する(最終版を作る)工程を必ず入れましょう。


写真の撮り方(図面とセットで強くなる)

写真は必須提出ではない地域もありますが、補正や問い合わせを減らす意味で非常に有効です。特に「出入口が狭い」「道路幅が分かりづらい」「区画が斜め」「車止めが特殊」といった“図面だけだと誤解されやすい”ケースでは、写真があるだけで説明が一気に通りやすくなります。
撮り方のコツは、図面の数字が写るように撮ることです。メジャーやレーザー距離計を当てた状態で、

  • 道路幅
  • 出入口
  • 区画の幅・奥行き
  • 高さ制限(必要なら)

を撮ります。
さらに、駐車場全体と自分の区画が分かる引きの写真、出入口から道路方向を見た写真を加えると、「支障なく出入りできるか」という要件説明に直結します。要件自体は各県警の案内でも明示されているため、写真はその“裏づけ”として機能します。


使用承諾書でつまずくポイント(自認書/承諾書)

車庫証明で意外に多い手戻りが、使用権原(使う権利)の資料です。要件として「保管場所として使用する権限を有すること」が求められるため、ここが曖昧だと止まります。
自宅敷地など自分の土地であれば自認書(自分で権原を疎明する書面)で足りることが多い一方、月極駐車場や他人所有地なら「使用承諾証明書(管理者・所有者の承諾)」が必要になるのが一般的です。様式名や取り扱いは県警の案内で示されているので、まずは自分の地域の様式を使います。

名義・区画番号・期間のズレを“ゼロ”にする

使用承諾書の差し戻し理由で多いのは、(1)申請者の氏名・住所の表記ゆれ、(2)区画番号の誤り・未記載、(3)駐車場の所在地の表記ゆれ、(4)承諾期間が短すぎる/日付が空欄、です。管理会社が発行する承諾書は定型で、こちらが空欄を埋める運用もあります。その場合、申請書・配置図・承諾書の3点で「同じ駐車場の、同じ区画」を指していることが一瞬で分かるように、表記を完全一致させます。たとえば、丁目・番・号・ハイフンの入れ方、マンション名や駐車場名、区画番号の表記(No.3/3番/③など)を統一しておくと、補正率が下がります。


名義変更と同時進行するときの段取り(交付日から逆算)

車庫証明が必要になる代表例として、多くの県警が「新規登録(購入)」「変更登録(引越し等で本拠移転)」「移転登録(名義変更等)」を挙げています。
ここで大事なのは、車庫証明“だけ”がゴールではないことです。多くの方は、名義変更や登録(運輸支局での手続)とセットで進みます。だからこそ、車庫証明の申請日・交付見込み日を先に置き、そこから逆算して「承諾書の取得期限」「実測・図面作成期限」「警察署へ行ける日」を決めると、全体が崩れにくくなります。

OSSや電子申請との使い分け(使える範囲を誤解しない)

最近は電子申請に対応する地域もあり、たとえば群馬県警は申請方法として「インターネットによる電子申請」と「窓口申請」の2種類を案内しています。
また、国交省のOSS(自動車保有関係手続のワンストップサービス)は、検査登録や保管場所証明申請等をインターネット上で一括して行える仕組みとして説明されています。一方で、手続によっては運輸支局等へ出向いて書類提出が必要な場合があること、軽自動車は別のサービスになることなど注意点も示されています。
つまり、「電子で全部完結する」と思い込むと予定がズレます。自分の地域・車種・手続(新規/変更/移転)で、電子申請の範囲を事前に確認してから工程表に組み込むのが安全です。


不備になりやすい“原因別”まとめと予防策

車庫証明が通らない原因は、突き詰めると「現地要件の説明不足」か「書類の不一致」に集約されます。現地要件は、2km以内・出入り可能・全体収容・権原の4点に沿って説明できているか。
書類の不一致は、申請書・所在図・配置図・使用承諾書で、住所や区画番号が揃っているか。配置図は道路幅員と区画寸法をメートルで記載することが求められているため、ここが欠けると再作成の確率が上がります。
予防策はシンプルで、「実測→配置図に数値→写真で裏づけ→表記を完全一致」の順を崩さないことです。これだけで、作り直しの大半は避けられます。


まとめ/ご相談のご案内

結論ポイント

  • 車庫の要件は原則「本拠から2km以内・出入り可能・全体収容・使用権原」。
  • 配置図には道路幅員と区画の幅・奥行き(必要なら高さ)をメートルで記入する。
  • 「実測→配置図に数値→写真で裏づけ→表記を完全一致」の順で作れば補正が減る。
  • 使用承諾書は名義・住所・区画番号・所在地の表記ゆれが最大の落とし穴。
  • 電子申請やOSSは便利だが、地域・車種・手続で“できる範囲”が違うため工程表に先に反映する。

このコラムでお伝えしたとおり、車庫証明は“書類作り”というより「現地の状況を、要件に沿って説明する」手続です。要件(2km以内・出入り可能・全体収容・権原)を満たしていても、配置図の寸法不足や承諾書のズレで止まるのは本当にもったいないポイントです。アクシスサポート行政書士事務所では、現地確認の観点整理、図面(所在図・配置図)の整合チェック、使用承諾書の取得サポート、名義変更まで見据えた工程設計をまとめて支援します。お急ぎの案件ほど、早い段階で一度ご相談ください。

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