在留資格「技術・人文知識・国際業務」内定者受入:雇用と学歴の適合性

新卒・中途で外国人材の採用が決まったとき、最初に確認すべきは「職務内容が学歴・専攻又は実務経験と適合しているか」です。
このコラムでは、適合性の見極め方、雇用条件と就業場所の明確化、必要書類と工程、典型的な不許可理由の回避、家族帯同や更新の見通しまでを、初めての担当者にもわかるよう順序立てて解説します。

目次

職務内容と学歴・専攻のマッチング

技術・人文知識・国際業務は、学歴(大学・専門等)で学んだ内容や一定の実務経験が、従事させる業務に関連していることが求められます。
たとえば情報系専攻でシステム開発、経済・経営系でマーケティング、外国語や国際関係で通訳・海外渉外など、関連性の筋道を説明できることが大切です。学位証明と成績証明の科目名、卒業研究のテーマなどを職務記述書と対応させ、関連性の“地図”を作ると審査がスムーズになります。実務経験で充足する場合は年数や職務内容の証明(在職証明や職務経歴)を整え、学歴との接続を文章で補います。

実務経験で充足する場合の立証
学歴要件が弱い場合でも、同種の実務経験が十分にあれば適合できる余地があります。過去の雇用契約、在職証明、職務内容を具体的に示す評価書や成果物を準備し、従事予定業務との対応表を作ります。単なる“在籍の事実”ではなく、“どの技術・知識をどう使って何を達成したか”を具体的に示すことが鍵です。派遣・下請けの場合は就業場所・指揮命令系統・受入先の管理体制を明確にし、偽装請負にならない運用方針を記載しておくと理解が得られます。

雇用契約・給与水準・就業場所の明確化

雇用契約は就業場所・職務範囲・労働時間・給与の額と支払方法、社会保険の適用、試用期間の取扱いを明確にします。給与は日本人と同等以上の水準が前提で、地域や職種の相場と照らした根拠資料(賃金統計や求人票)を添えると説得力が増します。就業場所が複数・変更可能な場合は、移動時の手続方針も記載します。社宅提供や通訳支援、研修制度などの支援策は、単なる“善意”ではなく文書にして提出すると評価が安定します。

社内体制(日本語サポート・就業規則)
受入体制として、就業規則の多言語周知、ハラスメント窓口、メンター制度、評価・昇給の基準、在留カードの管理と更新手順などを整備します。日本語支援はeラーニングや外部講座の補助など具体策があると実効性が伝わります。派遣や客先常駐がある場合は、受入先の責任者・連絡体制・作業場所の安全管理の説明を準備しましょう。

必要書類とタイムライン

必要書類は、在留資格認定証明書交付申請書、雇用契約書、職務記述書、学位・成績証明、履歴書、会社概要、決算書、組織図、就業場所の資料などです。審査期間を見込み、入社日から逆算して1〜2か月前には提出できるよう工程を組みます。追加資料の依頼に備え、関連書類の英訳や補足説明を用意しておくと迅速に対応できます。

却下の典型とリカバリー
典型は、業務と学歴・経験の関連性が弱い、給与が相場より著しく低い、就業場所や指揮命令系統が不明瞭、会社の事業実態が乏しい、などです。
リカバリーは、職務内容の具体化、教育計画、労働条件の見直し、追加の受入体制の明文化で対応します。再申請時は前回指摘への回答書を要点で整理し、改善点を明示しましょう。

家族帯同・在留期間更新の見通し

配偶者や子の帯同は、収入・住居・保険の条件を満たすことが前提です。更新は実績に基づき、納税・社会保険の適正、会社の継続性、業務の継続性が重視されます。入国後は、在留カードの管理、住民登録、銀行口座・保険など生活基盤の整備を支援し、トラブルを未然に防ぎましょう。

入社日から逆算した工程表

結論ポイント

  • 職務内容と学歴・経験の対応表を作り、関連性を視覚化。
  • 雇用契約・給与水準・就業場所を明確化し、根拠資料を添付。
  • 社内体制(多言語周知・窓口・メンター)を文書化。
  • 工程は入社日から逆算、追加資料の依頼に備えて英訳等を用意。

内定承諾→書類収集→申請→審査→在留カード受領→入社・研修という流れを基準に、休止日や連休を見込んだ日程にします。オンライン面談での追加質問に備え、担当者・候補者双方の連絡体制も整えておくと安心です。

まとめ/ご相談のご案内 このコラムが、外国人材受入の最初のハードルである“適合性の説明”を形にする足がかりになれば幸いです。アクシスサポート行政書士事務所では、職務と学歴・経験の対応整理、契約書レビュー、申請書類作成、追加資料対応まで伴走します。まずはお気軽にご相談ください。

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