遺言執行者とは?「誰に任せるか」で相続手続きの進み方が変わる|選び方と役割をやさしく解説

遺言書を作るとき、「遺言執行者(いごんしっこうしゃ)」という言葉を見かけて、
「指定したほうがいいの?」「誰を選べばいい?」と迷う方は多いです。
遺言執行者は、簡単にいうと 遺言の内容を“実際の手続きとして実現する人”。
ここを決めておくと、相続手続きがスムーズになりやすい一方、指定しない場合は状況によって手続きが止まったり、家族の負担が増えたりすることもあります(ケースによります)。
このコラムでは、遺言執行者の役割、選任されていないときの流れ、誰を指定すべきか、指定しないリスクを整理します。
遺言執行者とは?役割は?
遺言執行者の役割
遺言執行者は、遺言の内容を実現するために、相続財産の管理など必要な行為を行います。
法律上も、遺言の実現に必要な行為を行う権限・義務がある趣旨が定められています。
具体的に何をする人?
遺言の内容によって変わりますが、一般的には次のような実務を担います。
- 相続人調査や財産調査、整理
- 財産目録(財産の一覧)の作成
- 預貯金の解約・名義変更、分配手続き
- 不動産の名義変更(登記手続きは司法書士と連携)
- 遺贈(遺言で財産を渡すこと)の履行
- 相続人への通知(就任後に遺言内容を知らせる趣旨の義務があると説明されることがあります)
遺言執行者になれない人は?
遺言執行者(いごんしっこうしゃ)は、遺言の内容を実際の手続きとして進める役割の人です。たとえば、財産の名義変更や、相続人への連絡、預貯金の手続きなどを行うことが想定されます。
そのため、法律上は「誰でもなれる」わけではなく、「未成年者」「破産者」は遺言執行者になれないとされています。
未成年者
未成年者(18歳未満の方)は、契約や財産の管理などについて、法律上できることに制限がある場面があります。
遺言執行者は、相続財産を扱い、各種の手続きを進める立場なので、単独で責任をもって遂行するのが難しいと考えられ、原則として遺言執行者になれない扱いです。
破産者
ここでいう破産者とは、一般的に 破産手続が始まっていて、まだ「復権(ふっけん:資格制限が解けること)」していない人を指すことが多いです。
この状態だと、法律上一定の資格制限がかかるため、他人の財産を扱って手続きを進める役割(遺言執行)には適さないとされ、遺言執行者になれない扱いになります。
遺言に遺言執行者が選任されていないときは?
まず起きやすいこと
遺言執行者がいない場合でも、遺言の内容によっては相続人側で進められることもあります。
ただ、相続人が複数いると「誰が中心になって動くか」「誰が銀行や役所の窓口に行くか」が曖昧になり、手続きが止まりやすいことがあります(家庭の状況によります)。
家庭裁判所で選任できる
遺言で遺言執行者が指定されていないとき、または遺言執行者が亡くなった等でいなくなったときは、利害関係人の申立てにより、家庭裁判所が遺言執行者を選任できると案内されています。
- 申立てできる人:相続人、受遺者(遺贈を受ける人)など
- 申立先:原則として遺言者の最後の住所地の家庭裁判所
※「申立てが必要=時間と手間が増える」方向になりやすいので、遺言書作成段階で指定しておくメリットはここにあります。
誰を指定すべきか
結論としては「この人なら絶対」という正解はなく、遺言内容と家族状況で変わります。考え方の目安を表にまとめます。
選び方の目安(比較表)
| 候補 | 向いているケース(例) | 注意点(例) |
|---|---|---|
| 相続人のうち1人(配偶者・子など) | 家族関係が良好/手続きに慣れている人がいる | 他の相続人から「公平性」を疑われると負担が増えることも |
| 親族(相続人ではない人) | 中立に動ける親族がいる | 仕事量が意外と多く、途中で疲れてしまうことも |
| 専門家(行政書士・弁護士等) | 相続人が多い/連絡調整が大変/不動産や預貯金が複数 | 費用が発生。 争いが強い場合は弁護士が適することも |
| 複数人指定 | 財産が多岐/分担したい | 意思決定が複雑になりやすい (多数決のルールが定められている旨の説明があります) |
“このタイプ”なら専門家指定が向きやすい(例)
- 相続人が多い、連絡が取りにくい人がいる
- 不動産が複数、預貯金口座も多い
- 「遺贈」をする予定で、相続人以外も関係者になる
- 家族間で誤解が生じないよう、第三者の中立性がほしい
指定しない場合のリスク
指定しないこと自体が直ちに問題とは限りませんが、次のようなリスクが出やすいです。
手続きが止まる・遅れる
- 誰が窓口になるか決まらない
- 書類の準備や段取りが後回しになりやすい
- 途中で「やっぱり家庭裁判所に選任申立てが必要?」となる
家族の負担が増える
相続手続きは、戸籍収集・財産調査・金融機関対応など“やること”が多めです。
中心人物がいないと、負担が分散しすぎて逆に進まないことがあります。
遺言内容によっては執行者が重要になる
遺言の内容が「特定の財産を特定の人へ渡す(遺贈)」などの場合、執行を担う人がいると進めやすいと説明されています。
また、遺言での認知や相続廃除など、手続きが特にデリケートな内容は、遺言執行者が重要になる場面があると言われています(内容により対応が変わるため、専門家確認が安心です)。
まとめ
遺言執行者は、遺言を「書いたまま」にせず、現実の手続きとして実行するためのキーパーソンです。
遺言執行者を誰にするかで、相続手続きのスピードや家族の負担感が変わることがあります。
- 手続きの中心を決めておきたい
- 相続人が多い/不動産や口座が多い
- 中立に進めたい
- 遺贈など、関係者が増える内容がある
こうした場合は、遺言執行者の指定を含めて、早めに整理しておくと安心です。
アクシスサポート行政書士事務所では、
「遺言執行者を付けるべきか」「誰を指定するのが現実的か」といった状況整理から、遺言書作成サポートまでお手伝いしています。
まだ依頼を決めていない段階でも構いませんので、お気軽にご相談ください。
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