「Y評点って何?黒字なら自動的に高くなるの?」——初めての方ほど不安になりがちです。
ひとことで言うと、Y評点は会社の“お金まわりの健康度”を決算書から読み取り、点数化したもの。
式の暗記よりも、数字の整合性と根拠書類が大切です。
目次
・経営事項審査におけるY評点とは
・Y評点を改善または伸ばすためのポイント
・よくある誤解を一度整理
・まとめ
・参考にしたページ
経営事項審査におけるY評点とは
Y評点は、入札に進むうえで「この会社は資金面や運営面が安定しているか」を客観的に示す指標です。
具体的には、資金に余裕があるか(安全性)・しっかりもうけられているか(収益性)・お金が滞りなく回っているか(効率性)などを、いくつかの指標の組み合わせで見ます。
大切なのは、決算書の内容に矛盾がないこと、勘定科目の内訳や注記、証憑がそろっており、第三者が見ても読み解ける状態に整っていることです。
ここが整えば、Y評点の理解はもちろん、その先の総合評定値P(経営事項審査の総合点で、公共工事の入札参加資格などの判断に用いられる指標)に向けた準備も落ち着いて進められます。
Y評点の改善ポイント
Y評点は、会社の資金の余裕・収益性・負債への強さ・資本の厚みなどを8つの指標で総合評価するものです。
まずは下の「体質改善チェック」を上から順に取り組むのが近道です。
- 営業キャッシュフロー(CF)を安定してプラスに
入金サイトの短縮(前払・出来高の活用)、在庫・未収金の圧縮、不要な立替の回避で“お金の回り”を良くします。CFはYの重要指標の一つです。 - 支払利息を減らす(純支払利息比率の改善)
高金利借入の借換え、早期返済、手形割引の見直しで利息負担を軽くします。利息が軽い=財務の余裕がある、と評価されやすくなります。 - 短期負債をだらだら溜めない(負債回転期間の短縮)
買掛・未払の決済ルールを明確にし、資金繰り計画と連動させて回転を速めます。結果として“負債に頼り過ぎない”姿勢が点数に反映されます。 - 粗利と経常利益率を底上げ(収益性の強化)
原価の見える化、採算ラインの徹底、赤字案件の早期是正で「総資本売上総利益率」「売上高経常利益率」を地道に引き上げます。 - 自己資本を厚くする(自己資本比率の改善)
利益の留保、増資、配当方針の見直しで“返済不要の資本”を増やします。これが多くの指標に波及します。 - 2025年の新取扱い:資本性借入金の活用を検討
一定の要件を満たす資本性借入金を自己資本とみなせる運用が2025年7月1日以降に導入。該当すれば自己資本関連の指標が改善し得ます(要件・様式は公式通知で個別確認)。 - 固定資産は“身の丈”に(自己資本対固定資産比率の改善)
遊休資産の売却、リース活用、保有の合理化で「固定資産≦自己資本」を意識。重すぎる資産構成は評価を押し下げやすいです。 - 利益剰余金を積み上げる
単年黒字を積み重ねる・特別損益の管理で“貯金”を厚く。単発の黒字より、継続性が点数に表れます。 - 決算書の“読みやすさ”を整える
勘定科目内訳書・注記・証憑の付け忘れをなくし、数字の整合(貸借一致・注記との整合)を事前チェック。数字が説明できる状態は審査遅延の予防に直結します。 - 決算“前”から着手する
期末の付け焼き刃では動かない指標が多いため、資金繰り・借入構成・原価管理は通期で改善。年次での点数ブレを抑えます。 - シミュレーションで弱点を特定
直近決算値を基に、8指標がどこで足を引っ張っているかを可視化。改善余地の大きい順に施策を当てると、効率よくY全体が伸びます。 - 最新の公式運用を確認し、証明書類を揃える
特に資本性借入金の扱いなど制度変更の影響は大きい領域です。国交省・登録分析機関の通知・様式に沿って証明書を準備しましょう。
Y評点に関するよくある誤解
「黒字ならYは必ず高い」という理解は要注意です。
Yは利益だけでなく、借入との付き合い方(利息負担)・自己資本の厚み・回転の良し悪し・営業キャッシュフローなど、会社の“体質”も一緒に見ます。
たとえ黒字でも、借入依存が高く利息負担が重い、入金が遅く資金繰りが細い——こうした状況ではYは伸びにくいことがあります。逆に、規模が小さくても資金の回りが健全で、数字の裏づけが明快な会社は評価が安定しやすい傾向です。年ごとの運用や取扱いは見直されることがあるため、最終確認は所管窓口や公式の最新案内で行いましょう。
まとめ
今日できる小さな一歩は、決算書と内訳書の棚卸しから。次に、登録分析機関へ経営状況分析を依頼し、どの指標が弱いかを把握します。そこから、資金繰りの見直し・利息負担の軽減策の検討・注記や証憑の整備といった“今できる改善”に着手しましょう。
静岡県の運用はわかりやすく整理されていますが、細部は更新され得ます。迷ったら公式の案内で確認し、必要に応じて専門家へ相談することで、書類の整合チェックと最新運用の適用可否を早めに見極められます。
参考ページ
・国土交通省(経審の手引き等)/https://www.mlit.go.jp//評価項目と手続の基本を確認
・静岡県(経営事項審査)/https://www.pref.shizuoka.jp//電子申請・予約・提出方法の最新案内
・登録分析機関(経営状況分析の申込案内)/https://www.ciic.or.jp//申請手順と必要書類の確認
※数値や運用は時期・個別事情で異なります。最終確認は必ず公式情報や所管窓口で行ってください。
個別相談の案内(任意):電話またはメールでお気軽にご連絡ください。


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